時々、SNSで見かける
『虫が食べた野菜の方が安心安全で美味しい』
という表現。
これは嘘です。虫が食った野菜は少なくともその部分の食味は確実に悪くなりますし、虫食いが多い野菜はそもそも不健康に育った(無理をして育てられた)野菜の可能性が高いです。
栽培適期に健康的に育った野菜は虫に食われにくいし、食われてもその後復活します。
『虫食い野菜が安心安全』
というのは迷信です。
これはとあるグルメマンガの影響が大きいと感じています。私も子どもの頃に読んで、自分で自然農を実践して観察するまでは信じていましたから、実際に比較していない人たちの方が圧倒的に多いので誤解が広がったままなのも仕方がいのかとも思います。
そのマンガが書かれた当時はまだ研究も比較実験もされていなかったから仕方ないのかもしれないけれども。
見た目がきれいな野菜を手に取りたがるのはある意味本能としては正しいのだと思います。
私も自然農で野菜育てて観察と試食を繰り返してきたけど、見た目の美しいものの方が美味いです。
自然界で美しく立派に育つには恵まれた生育環境で健康的に育つ必要があって、そういったものは美味しくなります。
これは、魚とか獣で考えるとわかりやすいです。
元気な個体はエサを十分に食べて運動が出来るので油も乗ってて旨い。
見た目の綺麗なものは美味しい、栄養があるというのは、人間が長い時間をかけて積み重ねた経験によるものなんじゃないかと思います。
それが現代では、季節外れに栽培したり、過度に早く大きくするためにたくさんの肥料が使われたりして、野菜に無理をさせるから病気や虫食いが起きやすくなる。
だから薬でそれらを抑えて、見た目のきれいで大きな野菜を早くたくさん作るようになりました。
わかりやすい表現は誤解も孕みやすいので注意が必要です。
↓最近収穫したブロッコリーとニンジンです。
もちろん無農薬無肥料栽培。