『幻の野菜』
といえば格好良いし、なんか凄そうなんだけど、その実は時代のニーズに合わなくなって育てても採算が合わなくなってしまった野菜。
でもそこにロマンがあるッッ\\\\ ٩( ‘ω’ )و ////
という、個人的趣味で色んな固定種集めて栽培してます(´౪`)
こちらは『鹿ヶ谷カボチャ』
※ししがたにかぼちゃと読みます。
200年前にルーツを持つ京都の伝統野菜。
カボチャを2個重ねたようなヒョウタン型が面白い和カボチャです。
百姓仲間に分けていただいたタネから、いつものほったらかし栽培で出来ていました。
無肥料栽培にも適合する良い子ですね(´・∀・`)
味は和カボチャらしく甘み少なめタンパクだけど煮崩れしにくいそうです。
半分に割って、タネとワタを取り出して(タネはよく洗って干して来年また蒔きます)
火が通りやすいように小さめに切ってだし汁で煮てそのまま味噌汁にします。
5分ほど出汁で煮たところで味見。
火は通って柔らかくなりました。
味は、あからさまな甘みは無いものの、ほんのり優しい甘味と奥深い味わいがありました。
滋味深いというやつですね。
美味しいカボチャです。
ここのところがポイントなんですよね。
現代では、食べ物も大量生産大量供給が当たり前になってしまい、味付けは調味料でするもの。
美味しい野菜の基準はいつのまにか『甘さ』が指標になってしまいました。お米もね。
甘さというのはわかりやすく感じやすい美味しさではあります。
濃い味つけや、化学調味料で味をつければ尚のこと。
この鹿ヶ谷カボチャの美味しさは甘さではなく、その繊細な滋味の部分にあって、それを活かすには薄味で料理しなくてはいけません。
そうなると、ちょっと手間と腕前が必要になる。
ましてや、加工食品やコスパ良く作る料理には不向きとなってしまいます。
その一方で、上手く料理すれば、西洋カボチャにはない上品で滋味深い味わいを感じることができます。
そんなことを出来上がったお味噌汁と、自分で育てた無農薬無肥料米に自家製梅干し(梅の採取から自家製)のおにぎりを一緒に食べてまた新たな発見。
梅干しの塩味と酸味で食欲がモリモリ湧いてきて、その後に味噌汁をすすると、味噌の甘みがグッと感じられていっそう美味い。
この甘みは、味噌だけじゃなくてカボチャからも出たものだろうと思います。
シンプルな調理でもその味を感じることが出来る。
濃い味付けから卒業していって、こう言った昔ながらの食材、食べ物を食すとその食べ物の持つ本来の味や香りを楽しむことが出来ます。
とはいえ、市場に流通している食材だとこうはいかないかもしれなくて、そう言った意味で現代ではこの一見粗食な食事が実はとても贅沢なものなのかもしれないなぁと思いながら食べました。