Facebookに上がっている動画で、とある政治家さんが、種苗法改正賛成派に対しての苦言を呈する動画を見て思ったことを書きました。
種苗法と種子法については、日本の食にまつわることなので多くの人に考えて欲しいことではあるのだけれど、それを話している人や政治家さんたち自身がリアルなところを知らずに討論だけが盛り上がってしまってるところも感じたりする。
今回の種苗法改正でよく言われていたのが
『自家増殖』つまりタネを自分で採ることが出来なくなるということなのだけど、
現在大規模農家さんの多くはそもそも自家増殖で野菜や穀物を栽培している割合がどれだけあるのか?
自家増殖の難しさやデメリットから、生産性を重視するプロ農家さんほど種苗会社さんから購入していると思うし、そういう話を実際の農家さんからお聞きしました。
私自身、タネ採りをするのでその手間や難しさ、デメリットもよくわかります。
私はどれだけ自給的な栽培ができるのかという実験も兼ねてやっているから続けているけれど、手間やデメリットを考えたら多くの『買った方が安くて確実』というのも感じます。
商業栽培ならそれはなおのこと。
そしてその感覚、考え方は農家さんだけでなく一般消費者さん自身にも置き換えられるもので、
『野菜や穀物は自分たちでも育てられるけれど、それよりも買った方が安くて楽』
自分たちが、安くて楽な方を選択する選択肢を作る為に何が犠牲になっているのか?
そこがこの問題の根本にあると気付いてる人は殆どいないと思います。
自家採種して無農薬で育てたお米は安いお米の3〜5倍のお値段で売られています。
やってみるとわかるのが、それが安いのか高いのか。
買うには高いけど自分で作って売るには安すぎる。
それが無農薬野菜の現状じゃないかなーと。
そしてこの
『買うには高いけど作って売るには安すぎる』
を擦り合わせる為に行われるのが本来の国の農業政策で、税金が投じられるべきところだと思います。
だから、農業にまつわる補助金や助成金て色々あるのだけど、それらがどのくらい有効に活用されているのか?
補助金目的の悪徳ビジネスみたいなものが蔓延っていないか?
話を種苗法種子法に戻すと。実際に外国からの圧力で法改正が行われているという点は危惧して阻止しなきゃならないけれど、なんか論点が微妙にズレてる気もしちゃうの。
本当に阻止すべきポイントはなんなのか?
人任せにせずに考え行動する人が増えなければ、結局誰かの都合の良いようにされていくのは変わらないと思うんです。
最後に、自家採種のタネ、無農薬(除草剤なども一切不使用)、肥料投入も無しでやってみた米作りの動画リンクを貼っておきます↓