害虫も益虫も人間の都合で勝手に呼んでるだけ。
これはネキリムシ(ヤガなどの幼虫)と同様に野菜の新芽を噛み切ってしまったり、野菜をかじると思われていて嫌われているコガネムシなどの幼虫たち。
ジャガイモなどの植付け時期には、タネ芋と共に「ネキリムシ対策」の農薬が一緒に売られています。土に混ぜ込んで長く効く顆粒タイプのものとか。
(※もちろんピースファームでは一切使っていません)
だけど、彼らは本来枯れ草を食べて暮らしていて、食べるものがないから仕方なく野菜をかじったりする。
ピースファームではむしろ彼らは優秀なスタッフ。
刈った草をせっせと食べて良質な堆肥にしてくれています。
その証拠に、土の中にはほとんどいなくて、枯れ草の下にはゴロゴロいるけど、野菜を育てている畝や土の中の方にはほとんどいないです。
雑草を片付ける為にトラクターで雑草を土の中にすき込んだり、堆肥を土の中にすき込めば、彼らの食べ物が土の中に入り、地上部には草を生やさないようにビニールマルチ掛けたり、除草したりして、彼らが食べる枯れ草が全くと言って良いほど無くなる。
そうなれば、土の中のものを食べるしかなく、土の中に潜っていき、食べ尽くしてしまうと生えている植物は野菜しかないからしかたなくそれらを食べることになる。
地表に草が無ければ彼らは日光から逃げる為と食べ物を求めて地下に潜っていく。
人の行いが、虫を害虫にする一つの例だと思います。
地表面に彼らが暮らしやすい環境と餌が十分にあれば、わざわざ嫌いな野菜を食べなくても良いので、ピースファームでは刈り取った草や、野菜の残渣を畝間に積んでおいています。
こうすれば、虫は畝間に集まり、枯れ草の分解も早くなり良質な堆肥へ変わり、幼虫をエサにするモグラやカラスなんかも畝や野菜にちょっかいかけずに畝間に集まるはず。
そうして食べられれば、その虫たちがやたらに増えることもないですし、実際秋冬になるとかなり数を減らします。
虫たちの生態を理解してそれを利用することができれば、農薬や資材を使って虫除けや殺虫をするどころか、むしろ彼らがいることで野菜の栽培に良いことが起きるようにできると思います。
人が動く代わりに畑の生き物たちに仕事をしてもらう。
それが自然生態系利用農法の考え方です。